神社を巡る旅③日本神話の世界へご招待
日本という国がどのようにできたかご存じですか?
そりゃお前さん、
46億年前に地球ができて、
長い年月かけて冷やされて海ができて、
アメーバが発生して進化して、
魚が陸へあがって昆虫類や爬虫類になって、
恐竜になって、鳥類になって、
哺乳類からホモサピエンスになって…
大陸から渡ってきた人類がムラを形成して、
邪馬台国などになって、ヤマトの国が後の日本の原型になって…
はい。科学や歴史に沿っていくとそうなります。
しかし、日本神話ではまた違った見方をします。
『古事記』冒頭
「天地初発之時」(あめつちのはじめのとき)
世界の最初に、高天原に相次いで三柱の神(造化の三神)が生まれたそうな。
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)
神産巣日神(かみむすひのかみ)
これら神は造化の三神として、混沌から世界を作ったのですが…(とくに天之御中主神なんてギリシャ神話で言えばゼウス並の神のなかの神のはず!?)
いかんせん古事記ではこれ以降あまり登場しません。
続いて、二柱の神が生まれました。
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)
天之常立神(あめのとこたちのかみ)
なーんにもない混沌のなかの葦の芽から生まれたとされてます。
この二柱の神も長い年月暇過ぎて気づいたら隠れちゃいます。
以上に紹介した五柱の神は性別はなく、独身のまま子どもを生まず身を隠してしまい、これ以降表だって神話には登場しませんが、根元的な影響力を持つ特別な神とされ、別天津神(ことあまつかみ)と呼ばれてます。
古事記は続きます。
次に、二柱の神が生まれました。
国之常立神(くにのとこたちのかみ)
豊雲野神(とよくもののかみ)
国之常立神と豊雲野神も性別はなく、これ以降、神話には登場しません。
(ちなみに国之常立神は日本書紀にも登場するが、日本書紀の中では男神として扱われ、世界最初の神とされている。)
続いて五組十柱の神々が生まれました。五組の神々はそれぞれ男女の対の神々であり、ここでようやく性別が出てきます。
男性神
宇比地邇神(うひぢにのかみ)
角杙神(つのぐひのかみ)
意富斗能地神(おほとのじのかみ)
於母陀流神(おもだるのかみ)
伊邪那岐神(いざなぎのかみ)
女性神
須比智邇神(すひぢにのかみ)
活杙神(いくぐひのかみ)
大斗乃弁神(おほとのべのかみ)
阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
伊邪那美神(いざなみのかみ)
以上の七組十二柱を総称して神世七代(かみのよななよ)といいます。
ここまででたくさん出てきましたが、ようやく有名な神様が出てきました。
これ以前には混沌とした世界に葦の芽から生まれた神がいました…といった形でどんどん神様が出てきては消えるのです。
名前も覚えづらい…。
さて、話は古事記の国産みに移りまして、
伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)の二柱の神は、別天津神(ことあまつがみ)たちに漂っていた大地を完成させるよう命じられます。
(久しぶりに出てきた!別天津神!)
別天津神たちは天沼矛(あめのぬぼこ)を二神に与え、伊邪那岐・伊邪那美は天浮橋(あめのうきはし)に立ち、天沼矛で渾沌とした大地をかき混ぜました。このとき、矛から滴り落ちたものが積もって淤能碁呂島(おのごろじま)となりました…。
諸説ありますが『おまえの出っ張ったところを私の引っ込んだところに突っ込みなさい』ということですね。
そして滴り落ちたもの、それは精子ですね。
大八島(日本列島)はこうしてできました。
なんとも下ネタですが、これが日本誕生でございます。
つまり何が言いたくて古事記をあらすじで書いたかと言うと、
日本は神様が作った!!ということを言いたかったのです。
しかし、千年以上も昔によくもまぁこんなスペクタクルな大河ドラマを国家事業として編纂したなぁ。
古事記、日本書紀は記述の違いはありますがこんな日本神話を今日に伝えています。
漫画で分かる!シリーズもあるのでぜひ日本の成り立ちを学んでみては?
全国の神社をランダムで掲載したデータベースはこちら!(まだまだ少ないですが…)